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アクロイド殺しが好きな人は推理小説が好きなのか、エンターテイメント小説が好きなのか問題

アクロイド殺しアガサ・クリスティの才能が光った著名な作品です。

もし、まだ読んでいない人がいるなら、amazonのリンクを貼っておくのでそちらで読んでいただけると嬉しいです。(青空文庫にあればよかったんですが)

間違いなく面白いので。

 

 簡単な紹介

アガサ・クリスティはコナンの阿笠博士の元ネタの人物です。

昔では珍しい女性の作家です。

有名なのはエルキュール・ポアロのシリーズや、そして誰もいなくなったでしょうか。

 

今回紹介するアクロイド殺しは灰色の脳細胞でおなじみのポアロが登場します。

ベルギー人の元警察官で小柄な男。

頭脳明晰の彼は探偵役として数々の難事件を解決しています。

 

知っていらっしゃるとは思いますが、推理小説は基本的に助手役が存在し、読者と同じ目線で物事を聞き、考え、読者に対して結末に至るためのヒントを与えていきます。

 

ポアロの助手役として有名なのはヘイスティングスという人物ですが、今回の助手役はジェイムズ・シェパードという医師です。

私たち読者は、彼と同化し、彼を通して、事件を体験し、推理していくわけです。

 

事件を簡単に説明しましょう。

 

裕福なフェラーズ夫人が亡くなったのですが、彼女は一年前に自身の夫を毒殺していました。

そのことで脅迫を受けていたことを、再婚予定だったロジャー・アクロイドに告げます。

フェラーズ夫人は恐喝者の名前を手紙に書き残しており、恐喝者の名前を手紙から知ったアクロイドも殺される。

 

以上が簡単なあらすじです。

 

この事件を解決するために、ポアロとシェパードがタッグを組んで事件解決に挑むわけですね。

 

 

本題 アクロイド殺し

まあ、正直なところ事件の内容についてはそこまで重要ではなくて。

私はこの小説が推理小説で最も好きなのですが、果たして、この小説を好きな人が推理小説ファンと名乗れるのか、昔から疑問に思っていました。

 

推理小説は読者に対して、フェアでなければならないのです。

ノックスの十戒という名前を知っている人も多いと思います。

最近?の作品だと、うみねこのなく頃に、とかで有名なあれですね。

 

  1. 犯人は物語の当初に登場していなければならない
  2. 探偵方法に超自然能力を用いてはならない
  3. 犯行現場に秘密の抜け穴・通路が二つ以上あってはならない
  4. 未発見の毒薬、難解な科学的説明を要する機械を犯行に用いてはならない
  5. 中国人を登場させてはならない
  6. 探偵は、偶然や第六感によって事件を解決してはならない
  7. 変装して登場人物を騙す場合を除き、探偵自身が犯人であってはならない
  8. 探偵は読者に提示していない手がかりによって解決してはならない
  9. 助手は自分の判断を全て読者に知らせねばならない
  10. 双子・一人二役は予め読者に知らされなければならない

 

これらがノックスの10戒の内容です。

納得できますよね。探偵が超能力者で事件を過去視で解決!なんてちょっとおかしいですからね。(サイコパス3とか逆転裁判とか、結構こういう話は多いけど)

 

さて、話の流れから分かるかもしれませんが、アクロイド殺しはこの10戒を破っています。

 そのため、私はこの小説を純粋な推理小説としてはどうなんだろう?と思ってしまうのです。

読者に対してアンフェアな小説は推理小説足りえるのでしょうか?

 

昔の定義ならわかりませんが、今の世に出版されているとすれば、私はこの小説を推理小説と呼んでもいいと思います。

 

今の小説なんて多様化によってジャンル分けが難しいですし。ライトノベルでも推理小説みたいなのありますけど、それって広義でいえばライトノベルなの?推理小説なの?って感じですよ。

 

 

個人的な印象としては、

アクロイド殺し推理小説:エンターテイメント小説=9:1の比率で成り立っていると思うんですよ。

1割が、どぎつい重さと魅力だからアンフェアだの言われているだけで。

 

そう考えると、アクロイド殺し推理小説で最も好きな私みたいな人は、純粋な推理小説自体に魅力を感じているわけではなくて、この小説に含まれている僅かながらどぎついエンターテイメント要素に惹かれて好きになっちゃったのかな、と思うわけです。

 

 

 

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