ioriS ラノベの感想とかいろいろと

ラノベの感想とか はまってるものとか いうならば雑記

FGO バビロニア 20話まで感想 藤丸立香の拭いきれない異物感と山の翁

Fate Grand Order 絶対魔獣戦線バビロニア

Fateに詳しくなくても、その美麗なアニメーションは、ただ眺めているだけでも楽しめる。

 

この作品について少し思うところがあるので書いていく。

 

1. 藤丸立香

彼の存在についてまず話そう。はっきり言って自分にとっては、彼はFGOバビロニアの物語における異物だった。

原作における主人公は限りなく透明な存在であった。人によって姿かたちが変わる鏡のような存在。それが彼である。だから原作においては極力個を

消してきた。

その彼が確固たる個を持ち、物語に干渉していく姿に、私は馴染むことができなかった。

だが、彼がいなければバビロニアの話は絶対に進まないのである。実際に彼の果たしている役割は大きい。

 

自分でも、彼の存在をうまい具合に置き換えられないか考えてみたが、ぐだ男やぐだ子を藤丸立香の位置にはめ込んでみてもしてもいまいちすっきりしないのである。

そう考えると違和感があるにしても、藤丸立香の存在を認めざるを得ないだろう。

アニメスタッフも極力不快感を与えないようなキャラクター性を与えているように努力しているように思える。ただ、やはり異物感が否めない。

 

2.山の翁

個人的に山の翁は好きなキャラである。声優も気に入っているし、作中での活躍も見せ場もあるから一般的にも人気が高いキャラである。

 

ただ、バビロニアのアニメ作品における彼はご都合主義の極致といってもいい存在だ。

 

それは当たり前である。前提である6章が全カットされているのだから。

彼の初出はFGO6章である。そこでプレイヤーたちは正体不明かつ圧倒的な強さをもつ山の翁に惹かれるのだ。

そして6章で育んだ縁が7章に繋がる。

その過程が(劇場版で後程公開されるとはいえ)完全に消滅しているのだから、突然出てきた山の翁に対して、ポカンとするのは当然だろうと思う。

既プレイの私でもどうかと思ったし、もっといい登場の仕方や、伏線の立て方があったように思う。

映像は素晴らしいのに、もったいない。

 

まとめ

全体的に既プレイ向けのファンをターゲットにした作品になっているように思う。

宝具シーンは何回再生しても飽きないほどで、映像集として見るなら一級品だが、物語としてみるならイマイチな作品というように映る。

ティアマトのアニオリ補完などはいい感じの出来だったので、もう少し見せ方があったのでは…と思わずにはいられなかった。

 

アニメ監督が、初めて触れる視聴者と既プレイのファンを天秤にかけた結果、既プレイのファンを優先し、物語としての完成度よりも、名場面を全部入れるというようなコンセプトで作った作品ということなのだろう。

それはそれで嬉しくもあるのだが、個人的には一つの物語として形を整えてアニメを見るだけでバビロニアの物語を最大限楽しめるようにして欲しかった。