オーバーロード14巻 滅国の魔女 感想 その2 ラナー様って案外普通の人では?
前回、フィリップとアインズについてをメインに、オーバーロード14巻の感想を書きました。
今回は、ある意味14巻のメインヒロインともいえるラナーについて書いていこうと思います。というのも、ラナーに抱いていた印象が大きく変わったからです。
以下 ネタバレ注意
ラナーは普通の人?
彼女の行動原理(夢)はクライムと一緒になること、ただ一つだったと思うんですね。
そのために彼女は行動してきました。
孤児院の経営などもそういった布石の一つだったと思います。
14巻の結末は彼女の夢を最大限叶えた結果となったので、さぞ彼女は満足しただろうと思います。
私はラナーという人物が思ったより人間らしくて驚いちゃいました。私がラナーに抱いていた印象は単純なサイコパスなどではなく、人間らしい精神構造をもっていない歪んだ化け物、そんな印象だったからですね。
14巻、彼女の独白を読んだ結果、ラナーは演じることが得意で自分の欲求に忠実な、一般的なサイコパスと同様の人間に思えました。
それは極端に共感性の低く、道徳観を基軸に行動しないエゴイストという現代にいてもおかしくない人間。
私はそのことに少し安心するし、残念でもあります。読者は常に自分の予想が外れていてほしいもの。
どこかで、自分が想像もできないような化け物であってほしいという感情も一読者としてありましたからね。
道徳観を基軸に行動しないエゴイスト、と考えるとアインズも同様の存在といえるでしょう。というかナザリックのカルマ値がマイナスの人たちは大体そうかもしれない。
ラナーにとってのクライムが、アインズにとってのナザリックNPCであり、ナザリックNPCたちにとってのアインズって感じでしょうか。
そういった意味では収まるところに収まったといえますね。似た精神構造の人たちは惹かれあうのだろうか?
二人の関係は長続きするのか
彼女は永遠にクライムと生きることが可能となったわけでありますが、その関係は長続きするでしょうか?
私個人の意見としては、長続きしないと思います。
それは、彼女がエゴイストであるからですね。
クライムが自分にとって都合の良い存在であるから愛しているわけですよ、やっぱり。
永遠の時を過ごす中で、はたして彼女はクライムの望む姿を演じ続けることができるでしょうか?
そして、クライムはラナーの望む姿のまま生き続けることができるでしょうか?
私は難しいと思います。関係性というものは常に変化するものだからです。
前述に関しては、ラナーのクラス(ジーニアス)をうまく使うことで可能でしょう。しかし、後者が難しい。
結局のところ、同じ関係を維持し続けるにはどちらか、または両方が死ぬしかないんじゃないですかね。
今までのラナーとクライムの関係はラナーの努力の賜物であり、それだけの価値をクライムに対して見出しているから成立しているわけですよ。
はたして、彼女は少しづつ変容していくクライムを許容できるのでしょうか?
もし許容でき、ラナーとクライムの関係が永遠に続くのだとしたら、ラナーがクライムの全てを肯定できるほどに愛しているということでしょう。
それならば、ラナーは私が抱いている印象以上に、愛に生きる普通の人なのかもしれないですね。
記事に対しての感想や、14巻の内容に対して、私はこう思った、みたいのがあればtwitterやコメントで教えてくださいね!