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次期風紀委員長の深見先輩は間違いなく病気 感想 化け物と病んでる人なら・・・

 今回は3/28日にKADOKAWAから出版される、稲井田 そう様作の

次期風紀委員長の深見先輩は間違いなく病気、そのなろう版を読みました。

面白かったので、その感想を書いちゃいました。

書籍版は加筆修正どころかほぼ書下ろしらしいので、すでに読んだ方も、まだ読まれていない方にもおすすめです。購入特典もあるみたいですよ!

 

まずは簡単にあらすじを

 

主人公、鏡花は心の声が聞こえてしまう化け物である。そのため、家族からも距離を置かれ、疎まれている。経済的にも見放され、バイトに明け暮れる高校生である。

心の声が聞こえるせいで、友達も作れず、孤独な鏡花。

そんなに彼女に脅威が襲い掛かる。その名を深見透悟という。

彼は猛烈な、病気とも言えるような愛情を鏡花に向ける。(心のうちで。もちろん鏡花にはばっちり聞こえてますが。)

そんな深見先輩を気味悪がる鏡花だったが・・・?

 

以下ネタバレありなので、なろう版を読んだ後に見てね。

 

 

 心の声が聞こえるということ

心の声が聞こえるって怖いですよね。

僕は嫌われていても表に出されなかったらそれでいいじゃないか、と思っている人間なので、絶対欲しくない能力です。

実際、鏡花はこの能力のせいで様々なコミュニケーションの問題が生じて、経済的な苦境にも立っているわけですから、デメリットの大きい能力ですよね。

しかも自分の意思でその声をカットできない。そう考えると拷問だなあ。

 

そんな拷問染みた生活を送ることのできる鏡花のメンタルはどうなってるいるんでしょうかね。あらゆる意味で逃げなかったのは根性あると思います。

素直に尊敬しますね。

 

でもそんな彼女にも心の限界が訪れそうになっていて、そんな時に現れた、というか既にいたのが深見先輩なんですね。

白馬の王子様・・・、いや、病気の王子様かな。

 

 

化け物と病んでる人

自分のことを化け物って鏡花はいいますけど、この物語を読んでる人、そして、深見先輩は絶対そう思わないと思います。

 

読者は鏡花の独白を知っているから。

彼女が心の声が聞こえるだけの、優しい少女であることを知っている。

彼女の力って悪用しようとすればいくらでもできるわけで、でもそれをいない時点で素晴らしい道徳心を持っていると思います。

 

そして、深見先輩は彼自身の共感能力の高さから。彼は人の立場にたって物事を考えることができる人です。

普段の他人に厳しい風紀委員というのは、それだけ他人のことをよく見ている、とも言い換えられますよね。

 

彼は、

読者が行った、鏡花の独白を読んで彼女の心を理解することを、

共感能力の高さと、なにより強い愛情をもって、鏡花の心を読んで理解したんですね。

 

そして、心の声が聞こえることと、相手の心を理解すること

これは過程に違いはあれど、等価なことなんじゃないかなと思います。

 

そう考えると、この二人の関係は、なるべくしてなった関係なんじゃないかなと思います。

同じことできるわけですよ。そう、彼の病気にも思えるくらいの愛があれば。

 

 

 

しかし後日談は甘々だったなあ…、あんな高校生活送りたかった